蜃気楼


芥川龍之介/著

●装丁(オリジナル)

 

イラスト/船津真琴


イラストレーターの船津真琴さんの絵をお借りしてオリジナルの装丁をつくりました。既に自殺を決意したと言われる芥川龍之介の『蜃気楼』。独特の「間」をつくる船津さんの絵は文学的。手前の松林の翳りに対して海と空の眩しさの対比が素晴らしい。4人の人生観が錯綜する緊張感。砂浜を歩く友人や妻との会話に、主人公の虚ろな心が見え隠れする。この世のどこでもない、生と死の境界に迷い込むような空気感を表現しています。